【函館】函館市中央図書館は国内最多の収蔵量を誇る古地図「北方図」を電子データ化し、四月一日から同館ホームページ(HP)で公開する。電子化は古文書、巻物・掛け軸などに順次拡大。二〇一〇年度には、約一万六千点の「全国有数のデジタル資料館」(同館)に発展させる計画だ。
北方図は江戸時代から明治時代にかけ、松前藩、幕府役人、探検家などが北海道、樺太、千島列島、オホーツク沿岸を描いた古地図で、国内には約千二百点が現存する。
同館は一九〇九年(明治四十二年)に岡田健蔵・初代館長の私立函館図書館として開館以来、北方関係資料の収集に力を入れてきた。北方図は三百九十三点を所蔵し、古地図研究家の高木崇世芝さん(札幌)は「国内最多」という。
HPでの公開第一弾は、ペリー艦隊の箱館来港を描いた「亜墨利加(あめりか)船」や探検家近藤重蔵の制作した「蝦夷地図式」など三十二点。同館HPから「デジタル資料館・函館の古地図」のサイトに入って閲覧する。印刷やダウンロードはできないものの、画面上で拡大して見ることができるため、精細な筆致や色彩の濃淡まで判読できる。
公開する北方図は一〇年度までに百三十八点に増やす。
同館は〇三年度、原本の劣化防止と公開拡大を目的とするデジタルアーカイブ事業に着手。本年度のデータベース構築では、公立はこだて未来大の川嶋稔夫教授(情報メディア)の研究室が協力した。
柴山英機副館長は「年間費用は約二百万円。地元大学との連携により、本年度の新システム開発費は、民間委託の約十分の一で済んだ」と話している。
2008年3月31日月曜日
2008年3月25日火曜日
石狩川と共生を 流域46市町村がサミット 首長らが講演とシンポ 札幌
石狩川流域の四十六市町村が共通の課題を議論しようと一九九一年にスタートした「石狩川サミット」(丹保憲仁実行委員会会長)が二十周年を迎えるのを前に、記念の講演会とシンポジウム「人と水」が二十三日、札幌市の北海道開拓記念館で開かれた。
旭川市の西川将人旭川市長をはじめ各自治体の首長や担当者を中心に約百人が参加。元国土交通省河川局長の竹村公太郎・リバーフロント整備センター理事長や丹保会長らが基調講演した。
竹村さんは百年後には地球温暖化で本州が亜熱帯化し、北海道が「大穀倉地帯として、日本の切り札になる」と述べた。その一方で、肥料の原料となるリン鉱石の枯渇が近づいていることなどを指摘。ふん尿を下水に流すのではなく「有効利用する社会」への転換も求めた。
丹保会長も、乾式トイレでふん尿を肥料の原料として農業生産に回し、水の循環とは切り離す「エコサニテーション」の考え方を紹介。最後に西川旭川市長ら四人の首町が、各地域の取り組みなどを紹介し、意見を交わした。
旭川市の西川将人旭川市長をはじめ各自治体の首長や担当者を中心に約百人が参加。元国土交通省河川局長の竹村公太郎・リバーフロント整備センター理事長や丹保会長らが基調講演した。
竹村さんは百年後には地球温暖化で本州が亜熱帯化し、北海道が「大穀倉地帯として、日本の切り札になる」と述べた。その一方で、肥料の原料となるリン鉱石の枯渇が近づいていることなどを指摘。ふん尿を下水に流すのではなく「有効利用する社会」への転換も求めた。
丹保会長も、乾式トイレでふん尿を肥料の原料として農業生産に回し、水の循環とは切り離す「エコサニテーション」の考え方を紹介。最後に西川旭川市長ら四人の首町が、各地域の取り組みなどを紹介し、意見を交わした。
2008年3月19日水曜日
小沢さん指揮オペラ聴こう ウイーン国立歌劇場 日本公演鑑賞ツアー
道新観光(札幌)は東京、横浜で十月に行われるウィーン国立歌劇場のオペラ公演を鑑賞するツアーを企画した。
各日程とも新千歳空港発着、一泊二日、S席チケット付き。二十七日発は東京文化会館でリッカルド・ムーティさん指揮「コシ・ファン・トゥッテ」を鑑賞、十三万八千円から。二十九日発は神奈川県民ホールで小沢征爾さん指揮「フィデリオ」を鑑賞、十三万四千円から。小沢さんは同歌劇場の音楽監督を二〇一〇年に退任することが決まっており、同社は「小沢さんの(同歌劇場音楽監督としての)最後の日本公演」と参加を呼び掛けている。
各日程とも定員二十四人。三月二十四日午前九時半から受け付け開始。問い合わせは道新観光(電)011・241・6401へ。
各日程とも新千歳空港発着、一泊二日、S席チケット付き。二十七日発は東京文化会館でリッカルド・ムーティさん指揮「コシ・ファン・トゥッテ」を鑑賞、十三万八千円から。二十九日発は神奈川県民ホールで小沢征爾さん指揮「フィデリオ」を鑑賞、十三万四千円から。小沢さんは同歌劇場の音楽監督を二〇一〇年に退任することが決まっており、同社は「小沢さんの(同歌劇場音楽監督としての)最後の日本公演」と参加を呼び掛けている。
各日程とも定員二十四人。三月二十四日午前九時半から受け付け開始。問い合わせは道新観光(電)011・241・6401へ。
2008年3月14日金曜日
「北陸有利」に危機感 新幹線札幌延伸、議論本格化へ
今月末に予定されている整備新幹線の着工決定をめぐる議論が政府・与党間で本格化するのを前に、北海道新幹線の札幌延伸がライバルの北陸に比べ「劣勢だ」とする情報が相次いで寄せられ、道内の関係者らが危機感を募らせている。道や経済界幹部は十一日、新幹線建設に影響力を持つ国会議員に陳情、週明けからは自民党道議らも中央陳情を行う予定で、巻き返しに躍起となっている。
整備新幹線をめぐっては、自民党整備新幹線等鉄道調査会の久間章生会長が二月末に福井県を訪れた際、地元の経済界に対し「(優先順位を付けると)北陸は有利な状況にある」と発言。この前日にも自民、公明両党の国会議員数人が出席した非公式会談で、限られた建設費などの問題から「北海道よりも、新幹線用の駅が完成する北陸を優先させては」との声が上がったという。これを受け今月上旬になって、道内に「札幌延伸の雲行きが怪しい」-との情報が一気に流れた。
新幹線の着工時期が決まっていないのは、北海道(新函館-札幌)と、北陸(金沢-敦賀)の二区間。着工決定には、両区間合わせて約二兆円の建設費の確保が懸案となっている。政府・与党合意では、今月末までに財源確保のめどをつけることになっており、十四日には与党プロジェクトチーム(PT)、下旬には政府・与党整備新幹線検討委ワーキンググループの会合が開催される予定で、札幌延伸に向けた一定の方向性が出るとみられている。
「劣勢」情報を受け、高橋はるみ知事が五日に上京し与党幹部を説得したほか、十一日には嵐田昇副知事と高向巌北海道商工会議所連合会会頭ら経済界首脳が、新幹線整備に影響力を持つ津島雄二PT会長や国土交通省の幹部らを回り、札幌延伸への支持を訴えた。週明けには知事が再度、上京する予定だ。
自民党の道議たちも、週明けから三月末まで数人単位で毎日上京し、波状攻撃で陳情を行うことを計画している。経済界も再度、中央陳情を行う。道議会開会中の道議らの中央陳情は異例だが、自民党道議は「札幌延伸の劣勢を挽回(ばんかい)するためにも今が正念場だ」と気合を入れている。
整備新幹線をめぐっては、自民党整備新幹線等鉄道調査会の久間章生会長が二月末に福井県を訪れた際、地元の経済界に対し「(優先順位を付けると)北陸は有利な状況にある」と発言。この前日にも自民、公明両党の国会議員数人が出席した非公式会談で、限られた建設費などの問題から「北海道よりも、新幹線用の駅が完成する北陸を優先させては」との声が上がったという。これを受け今月上旬になって、道内に「札幌延伸の雲行きが怪しい」-との情報が一気に流れた。
新幹線の着工時期が決まっていないのは、北海道(新函館-札幌)と、北陸(金沢-敦賀)の二区間。着工決定には、両区間合わせて約二兆円の建設費の確保が懸案となっている。政府・与党合意では、今月末までに財源確保のめどをつけることになっており、十四日には与党プロジェクトチーム(PT)、下旬には政府・与党整備新幹線検討委ワーキンググループの会合が開催される予定で、札幌延伸に向けた一定の方向性が出るとみられている。
「劣勢」情報を受け、高橋はるみ知事が五日に上京し与党幹部を説得したほか、十一日には嵐田昇副知事と高向巌北海道商工会議所連合会会頭ら経済界首脳が、新幹線整備に影響力を持つ津島雄二PT会長や国土交通省の幹部らを回り、札幌延伸への支持を訴えた。週明けには知事が再度、上京する予定だ。
自民党の道議たちも、週明けから三月末まで数人単位で毎日上京し、波状攻撃で陳情を行うことを計画している。経済界も再度、中央陳情を行う。道議会開会中の道議らの中央陳情は異例だが、自民党道議は「札幌延伸の劣勢を挽回(ばんかい)するためにも今が正念場だ」と気合を入れている。
2008年3月9日日曜日
装置不具合で特急2本運休
八日午後二時ごろ、JR石勝線の占冠-新夕張駅間を走行していた釧路発札幌行きの特急「スーパーおおぞら」(九両編成)で、列車自動停止装置(ATS)が誤作動する不具合が発生し、同列車と折り返しの計二本が新夕張-札幌駅間で部分運休した。
同特急の乗客が後続列車に乗り換えるなど約七百五十人に影響が出た。
同特急の乗客が後続列車に乗り換えるなど約七百五十人に影響が出た。
2008年3月3日月曜日
聴覚障害認定 こんな不正は許されぬ(3月3日)
札幌の耳鼻咽喉(いんこう)科の開業医が作成した診断書・意見書によって聴覚障害者手帳を取得した六百人以上について、道と札幌市が再調査を進めている。
他の病院で再検査した結果、札幌の六人は耳に障害がないとわかった。札幌以外の市町村でも、これまでに「急に聞こえるようになった」などと七十人が手帳を自主返還している。
この医師の診断書は、大半が最重度の二級だった。二級は医療費助成や税金、交通機関の運賃などの優遇を受けられる。手帳は、障害者年金の申請にも参考として添付される。
道は再調査で障害等級に該当しない人には手帳の自主返還を求め、必要なら返還命令を出す考えだ。検査や命令を拒否した場合は身体障害者福祉法の罰則適用も視野に入れている。
信頼を揺るがせた医師の責任は重い。犯罪にあたらないのかどうか、警察もきちんと調べてほしい。
道は、この医師の診断書に基づく認定者について「実際の症状と異なる」という通報を三年余り前に受けた。
ほとんどの診断書の聴力が同一数値で、ガードを通る列車の音が両耳とも聞こえないレベルだった。以後、道は医師の関与した申請分の認定を保留した。調査の結果、健常者と判明して却下や申請取り下げが続出。二月から過去の手帳取得者を再調査している。
この医師の診断書作成には仲介者が存在した。医師の知人の社会保険労務士が申請を代行し、手帳を受けた約百人から報酬を得ていた。赤平、芦別両市で申請者が多く、地元に取りまとめ役や送迎者もいた。
医師と仲介者のうわさが口コミで広まり、両市の申請者を押し上げたのではないだろうか。
この医師は「聴力検査の結果をそのまま書いた」と主張している。
しかし、医師本人の筆跡と明らかに異なる診断書も複数ある。虚偽記載の疑いが持たれている。
この問題が昨年十二月に報道された後、手帳を自主返還した人たちの理由にも疑念が残る。漢方薬や市販のビタミン錠剤などをのんで聞こえるようになったというが、本当だろうか。札幌市に提出した文面は同一だった。
行政の対応も甘い。市町村職員が補聴器をつけない二級申請者と普通に会話できた。その時に、医師の診断書を疑うのが自然だろう。
芦別市でも多くの職員が疑問に思っていた。スナックのカラオケで上手にデュエットする二級認定者を見て「怪しい」と思った職員もいた。
医師の診断書を絶対視できないことは、滝川市の介護タクシー代不正受給や、札幌市の全盲を装った生活保護費不正受給でも明らかになっている。
本当に救済が必要な人と、障害者を装う人を厳密にチェックしたい。
他の病院で再検査した結果、札幌の六人は耳に障害がないとわかった。札幌以外の市町村でも、これまでに「急に聞こえるようになった」などと七十人が手帳を自主返還している。
この医師の診断書は、大半が最重度の二級だった。二級は医療費助成や税金、交通機関の運賃などの優遇を受けられる。手帳は、障害者年金の申請にも参考として添付される。
道は再調査で障害等級に該当しない人には手帳の自主返還を求め、必要なら返還命令を出す考えだ。検査や命令を拒否した場合は身体障害者福祉法の罰則適用も視野に入れている。
信頼を揺るがせた医師の責任は重い。犯罪にあたらないのかどうか、警察もきちんと調べてほしい。
道は、この医師の診断書に基づく認定者について「実際の症状と異なる」という通報を三年余り前に受けた。
ほとんどの診断書の聴力が同一数値で、ガードを通る列車の音が両耳とも聞こえないレベルだった。以後、道は医師の関与した申請分の認定を保留した。調査の結果、健常者と判明して却下や申請取り下げが続出。二月から過去の手帳取得者を再調査している。
この医師の診断書作成には仲介者が存在した。医師の知人の社会保険労務士が申請を代行し、手帳を受けた約百人から報酬を得ていた。赤平、芦別両市で申請者が多く、地元に取りまとめ役や送迎者もいた。
医師と仲介者のうわさが口コミで広まり、両市の申請者を押し上げたのではないだろうか。
この医師は「聴力検査の結果をそのまま書いた」と主張している。
しかし、医師本人の筆跡と明らかに異なる診断書も複数ある。虚偽記載の疑いが持たれている。
この問題が昨年十二月に報道された後、手帳を自主返還した人たちの理由にも疑念が残る。漢方薬や市販のビタミン錠剤などをのんで聞こえるようになったというが、本当だろうか。札幌市に提出した文面は同一だった。
行政の対応も甘い。市町村職員が補聴器をつけない二級申請者と普通に会話できた。その時に、医師の診断書を疑うのが自然だろう。
芦別市でも多くの職員が疑問に思っていた。スナックのカラオケで上手にデュエットする二級認定者を見て「怪しい」と思った職員もいた。
医師の診断書を絶対視できないことは、滝川市の介護タクシー代不正受給や、札幌市の全盲を装った生活保護費不正受給でも明らかになっている。
本当に救済が必要な人と、障害者を装う人を厳密にチェックしたい。
2008年2月26日火曜日
2次試験延期の北大 受験生が下見
二十五日始まった二○○八年度国公立大二次試験前期日程。二十四日まで吹き荒れた暴風雪は収まり、道内はおおむね穏やかな朝を迎え、受験生はそれぞれの夢に向かって試験に挑んだ。一方、入試が二十六日に延期となった北大には、札幌到着が遅れた受験生が下見に訪れた。
道教大札幌校を受験する高橋俊徳さん(20)=遠軽高卒=は「力を出し切ってぶつかるだけ。中学時代の自分の恩師のように、子供に信頼される教師になりたい」。
函館市の公立はこだて未来大受験のため前日函館入りした工藤美里さん(18)=青森・弘前南高三年=は「将来はデザイン関係の仕事に就きたい。悔いのないよう頑張りたい」と話していた。
旭川医大志望の柴宮浩希さん(19)=長野・諏訪清陵高卒=は「二日前に旭川入りしたので余裕を持ち試験に臨める。一浪なので今年で決めたい」。
帯広畜産大では石井良さん(18)=浜頓別高三年=が「二十四日に自宅(宗谷管内中頓別町)から親に五時間かけて送ってもらいました。勉強の成果を出せるよう頑張ります」と意気込んだ。
道教大釧路校を受験する佐藤彩華さん(18)=旭川北高三年=は「センター試験の出来が、いまひとつだったので、必死に論文を書く勉強をしてきました。新聞や本を読んで身につけた力を出し切りたい」と話した。
一方、北大会場を下見した千葉市の近藤裕貴子さん(18)=日大習志野高三年=は二十四日朝から東北新幹線、在来線を乗り継ぎ二十五日未明に札幌入り。「きょう受験だったらつらかった。延期は助かる。しっかり睡眠を取りたい」と語った。
道教大札幌校を受験する高橋俊徳さん(20)=遠軽高卒=は「力を出し切ってぶつかるだけ。中学時代の自分の恩師のように、子供に信頼される教師になりたい」。
函館市の公立はこだて未来大受験のため前日函館入りした工藤美里さん(18)=青森・弘前南高三年=は「将来はデザイン関係の仕事に就きたい。悔いのないよう頑張りたい」と話していた。
旭川医大志望の柴宮浩希さん(19)=長野・諏訪清陵高卒=は「二日前に旭川入りしたので余裕を持ち試験に臨める。一浪なので今年で決めたい」。
帯広畜産大では石井良さん(18)=浜頓別高三年=が「二十四日に自宅(宗谷管内中頓別町)から親に五時間かけて送ってもらいました。勉強の成果を出せるよう頑張ります」と意気込んだ。
道教大釧路校を受験する佐藤彩華さん(18)=旭川北高三年=は「センター試験の出来が、いまひとつだったので、必死に論文を書く勉強をしてきました。新聞や本を読んで身につけた力を出し切りたい」と話した。
一方、北大会場を下見した千葉市の近藤裕貴子さん(18)=日大習志野高三年=は二十四日朝から東北新幹線、在来線を乗り継ぎ二十五日未明に札幌入り。「きょう受験だったらつらかった。延期は助かる。しっかり睡眠を取りたい」と語った。
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