アスベスト(石綿)の健康被害で、患者らの支援団体「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」(東京)は三日、二○○五、○六両年度に、少なくとも道内二十二事業所を含む全国の五百二十二事業所(建設業を除く)で労災認定者が新たに出ていたとの分析結果を発表した。 厚生労働省は○五年七、八両月、○四年度以前に労災認定者があった道内九事業所を含む計四百十五の事業所名を公表した。 その後は全体の認定数など以外は明らかにしていない。認定者が新たに出た事業所が多数に上り、同省に事業所名の開示を求める声が高まりそうだ。 同センターは四月、各都道府県労働局に石綿労災に関する情報公開を請求。事業所名は非公開だったが、労基署単位で開示されたデータを分析した。 その結果、二年間に石綿で認定された三千三百六十五件のうち、建設業以外の千九百六十五件は少なくとも七百二十六の事業所で起きていたことが判明。○五年に公表された事業所名の資料と照合し、新たに認定者が出た事業所が、少なくとも五百二十二に上ることが分かったという。 道内の労災認定患者はこれまで九事業所十三件が公表されていたが、今回で三十一事業所五十五件となった。疾患別内訳は肺がんが十八件、中皮腫が三十七件で、すべて男性。 同センターの名取雄司所長は「道内でも札幌など一部地域だけではなく全域に被害が出たことがはっきりした。特に木材や紙製品関連の認定者が多いのが北海道の特徴で、分析が今後必要」と指摘する。 厚労省補償課は「事業所名は公表に向けて時期などを検討している」としている。 問い合わせは、同センター、フリーダイヤル0120・631202へ。(北海道新聞 引用)
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