2007年12月19日水曜日

聴覚障害手帳不正 芦別・赤平で133人が再検査対象外

【芦別、赤平】聴覚障害の身体障害者手帳の交付をめぐり札幌の耳鼻咽喉(いんこう)科医(72)の診断書に虚偽記載の疑いがある問題で、旧産炭地の芦別、赤平両市では、道の調査対象に入っていない二○○一年度以前にも、この医師の診断で最重度二級の手帳交付を受けていた人が少なくとも百三十三人に上ることが十八日、両市の調べで分かった。道は手帳取得者に対する聴力の再検査を年明けにも行うが、対象期間の見直しが迫られそうだ。  道は、この医師が関係した申請についての調査対象を、診断書など資料保存が義務づけられている○二年度以降とした。しかし、手帳交付申請が却下・保留された人が芦別、赤平両市に集中していたため、芦別市は一九九九年度、赤平市は九八年度までさかのぼり、残していた資料のコピーをもとに、独自に調べた。  その結果、両市で二級手帳を取得している三百九十八人のうち約80%の三百二十人が、この医師の診断で取得。このうち、道の調査対象期間外の○一年度以前も芦別市で百十五人、赤平市で十八人の合わせて百三十三人いることが分かった。  道と札幌市は、この医師が関係した手帳取得者に対する再検査を行い、実際の障害の度合いと異なる場合は手帳の返還を求める方針だが、○一年度以前の取得者は現時点で再検査の対象としておらず、調査期間の見直しを迫られる可能性がある。道障害者保健福祉課は「市町村から相談があれば、個別に対応することを検討したい」とする。  一方、芦別、赤平両市で、この医師がかかわった申請の割合が高いことについて、医師の代理人の弁護士は「訪れた患者をすべて平等に診断した結果だ。医師は真摯(しんし)に診断している」と話した。

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