【夕張】北海道中央バス(小樽)グループの旅行会社シィービーツアーズ(札幌)は、財政再建団体の夕張市内の公共施設などの雪かきや屋根の雪下ろしを行う「夕張雪はね 雪おろし応援バスツアー」参加者を募集している。
夕張市支援のため、昨冬に続いて企画した。参加希望者は二月二日朝、小樽、札幌、滝川、岩見沢の四カ所の中央バスターミナルに集まり、バスで夕張に向かう。市の文化施設「夕張鹿鳴館」と、映画ロケセットが保存される「幸福の黄色いハンカチ広場」の除雪を行う。
昼食は地元女性会がおにぎりや豚汁を振る舞う。温泉施設入浴料込みで、参加費は中学生以上三千円、小学生千円(小樽発着のみそれぞれ五百円増し)。
昨冬は二回実施し、幼稚園児からお年寄りまで計四百二十九人が参加した。問い合わせは同社(電)011・221・0912へ。
2008年1月29日火曜日
2008年1月25日金曜日
没後20年、関連グッズに新作 漫画家おおば比呂司さん 観光名所でも販売
札幌出身の漫画家おおば比呂司さん(一九二一-一九八八年)が死去して八月で二十年を迎えるのを機に、これまで中央区の札幌市資料館内「おおば比呂司記念室」など三カ所で限定販売していたおおばさんのオリジナルグッズが、さっぽろテレビ塔などの観光名所でも売り出された。
新たな販売場所はテレビ塔のほか、大倉山ジャンプ競技場の売店やJR札幌駅の北海道どさんこプラザ札幌店など。店舗によって扱う商品は異なるが、新千歳空港の一部売店でも二月から発売する。
同記念室を運営するセントラルプロモーション北海道(三島敬子社長)が没後二十年に合わせ、おおばさんの作品をより多くの人に親しんでもらおうと販路を拡大した。
人気の絵はがき(百五十七円)に加え、おおばさんの絵本に登場するウシやヒヨコのぬいぐるみストラップ(七百三十五円)やクリアファイル(三百十五円)を新たに作製。川を上るサケをくわえたクマのストラップは「上るものを捕まえる、として縁起が良く、受験生に人気」(同社)という。
同記念室は一九九五年にオープン。当初は絵はがきやマグカップなどのグッズ売り上げが年間約四百万円あったが、近年は三百万円ほど。市からの補助金の減額もあって資金繰りに苦しみ、販路拡大で売り上げ増を狙う。三島社長は「懐かしいおおばさんの漫画に触れてもらい、貴重な文化をみなさんと一緒に守っていきたい」と話している。
新たな販売場所はテレビ塔のほか、大倉山ジャンプ競技場の売店やJR札幌駅の北海道どさんこプラザ札幌店など。店舗によって扱う商品は異なるが、新千歳空港の一部売店でも二月から発売する。
同記念室を運営するセントラルプロモーション北海道(三島敬子社長)が没後二十年に合わせ、おおばさんの作品をより多くの人に親しんでもらおうと販路を拡大した。
人気の絵はがき(百五十七円)に加え、おおばさんの絵本に登場するウシやヒヨコのぬいぐるみストラップ(七百三十五円)やクリアファイル(三百十五円)を新たに作製。川を上るサケをくわえたクマのストラップは「上るものを捕まえる、として縁起が良く、受験生に人気」(同社)という。
同記念室は一九九五年にオープン。当初は絵はがきやマグカップなどのグッズ売り上げが年間約四百万円あったが、近年は三百万円ほど。市からの補助金の減額もあって資金繰りに苦しみ、販路拡大で売り上げ増を狙う。三島社長は「懐かしいおおばさんの漫画に触れてもらい、貴重な文化をみなさんと一緒に守っていきたい」と話している。
2008年1月18日金曜日
沖田新コーチ着任 チームの頭脳と期待
札幌の“頭脳”として期待される新任の沖田優コーチも宮の沢を訪れた。大宮では05~07年と分析担当コーチとしてJ1の傾向や相手チーム、選手の特徴を丸裸にした。今回は大宮で2年間、一緒に働いた三浦監督から請われた形での就任となった。札幌では分析、スカウティングのほか、若手の指導を担当する。「3年間のデータの蓄積もあるし、監督も昨年はJ1を経験していない。そういう部分でチームの残留のため生かしていきたい」と抱負を語った。
2008年1月13日日曜日
ランドセル商戦 道内でも本格化 個性的なブランド人気 多色化、販売前倒しも
四月の入学シーズンを前に、ランドセル商戦が道内でも本格化してきた。百貨店では子供服ブランドが開発した個性的な商品が人気を集めているほか、例年より販売時期を早める動きも目立つ。
丸井今井札幌本店によると「洋服ブランドのピンク色のランドセルが出足好調」。さっぽろ東急百貨店の売り場担当者は「以前よりもランドセルを扱うブランドが増えてきた」と話し、動物の刺しゅう入りや、凝ったデザインの小物入れ付きの商品が好評だ。同店での平均購入価格は三万五千円前後だが、六万円以上する独自商品への関心も高いという。
一方、イオンはジャスコやポスフール、ダイエーなどグループ店で扱う自主開発商品「トップバリュ」の「24色カラーランドセル」(二万六千円)などを中心に展開。全国で三十万個の販売目標を掲げ、「ランドセルを使う新入学児童のおよそ三人に一人の割合となる二十六万個を販売した」という昨シーズンの上積みを目指す。
また、顧客を囲い込むため、札幌西武は前年より二カ月も販売時期を早め、昨年九月からスタート。さっぽろ東急も前年に比べ一カ月前倒しで同十一月から売り場を拡大し、順調に売り上げを伸ばしている。
丸井今井札幌本店によると「洋服ブランドのピンク色のランドセルが出足好調」。さっぽろ東急百貨店の売り場担当者は「以前よりもランドセルを扱うブランドが増えてきた」と話し、動物の刺しゅう入りや、凝ったデザインの小物入れ付きの商品が好評だ。同店での平均購入価格は三万五千円前後だが、六万円以上する独自商品への関心も高いという。
一方、イオンはジャスコやポスフール、ダイエーなどグループ店で扱う自主開発商品「トップバリュ」の「24色カラーランドセル」(二万六千円)などを中心に展開。全国で三十万個の販売目標を掲げ、「ランドセルを使う新入学児童のおよそ三人に一人の割合となる二十六万個を販売した」という昨シーズンの上積みを目指す。
また、顧客を囲い込むため、札幌西武は前年より二カ月も販売時期を早め、昨年九月からスタート。さっぽろ東急も前年に比べ一カ月前倒しで同十一月から売り場を拡大し、順調に売り上げを伸ばしている。
2008年1月9日水曜日
稲葉が日本一奪還へ始動 「北京五輪も目標」
昨季首位打者と最多安打のタイトルを獲得し、パ・リーグ連覇の原動力となった稲葉篤紀外野手が8日、佐賀市内のゴルフ場で自主トレを始め、今季のスタートを切った。 佐賀での自主トレはヤクルト時代から続けてきた。今回はヤクルトで同僚だったロッテの代田らと一緒に、起伏のあるゴルフ場を約30分間走ったほかキャッチボール、ティー打撃などで約3時間半、汗を流した。年末年始は1週間ほどしか休めなかったが「最初にしては体がよく動く」と表情は明るかった。自主トレは14日まで続け、札幌で調整した後、19日に沖縄に先乗りして春季キャンプに備える。 35歳のベテランはチーム内でコーチ兼任の中嶋を除けば最年長。今季は成績とともにチームを支えるリーダーとしての責任もさらに重くなる。それだけに「梨田監督の野球を早く理解し、4番につなぐ役割を果たしたい」と稲葉。目標は「まずチームのクライマックスシリーズ出場」と控えめだが「日本シリーズで敗れた悔しさは忘れていない」と、雪辱へ意気込みも見せた。 新たな目標もある。8月の北京五輪出場だ。「予選に出て、あらためて五輪に出たいと思った。今年はそういう目標を持ってもいいのかなと思うが、まずチームで結果を出すことが大事」。14年目のシーズンに向け、モチベーションは高まっている。
2008年1月5日土曜日
スケート場、リュージュ練習場…札幌五輪会場が運営ピンチ 営業短縮やコース制限
一九七二年の札幌冬季五輪の競技会場が、老朽化や運営費不足で危機的状況にひんしている。札幌市南区真駒内の屋外スケート場は二月の電気料金の負担が重く、一月末で今季の供用をやめる。リュージュの練習会場(予備コース)だった南区藤野のコースは千メートルのうち、七百メートルを維持するのがやっと。施設を管理してきた道や札幌市は財政難で改修したり、維持・運営費を増額したりする余力がなく、このままでは施設の存廃論議が起きる可能性もある。
真駒内の屋外スケート場は二○○七年四月、道が命名権(ネーミングライツ)を売却したことで、道立真駒内公園屋外競技場から真駒内セキスイハイムスタジアムと名称を変えた。
○六年四月からは北海道体育文化協会が指定管理者として、屋内リンク(真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)とともに施設を運営している。関係者によれば、リンクの維持・管理などに伴う電気代は月契約で、二月も開けると、八百万円ほど経費がかさむため、供用を一月末までとする。
二月以降は一般滑走などができなくなるが、札幌スケート連盟の畑中弘理事長によると、競技団体も「資金協力したくても、力がない」。今の苦境が続けば、一○年二月に開催予定のスピードスケート北海道選手権を開けない恐れもある。
道は○五年度まで、同協会に、屋内外のリンクの管理、運営委託料として二億七千万円を支出してきたが、指定管理者制度に移行した昨シーズンからは、負担金をほぼ半額に減らした。同協会が屋内外のリンクで、収入源を探すにも限界があるという。
札幌市が管理してきた藤野のリュージュコースも施設の老朽化が著しく、安全上の理由から七百メートルしかコースを使用できない。コースを人が横断するための鉄橋もさびがひどく、競技団体は改修を望むが、市が支出したのは、さび止めのペンキ代だけ。札幌リュージュ連盟の伊藤徹理事長は「北海道のリュージュの灯が消えかねない」と、危機感を募らせる。
また、五輪でフィギュア会場となった美香保体育館も「通年使用が困難」など、さまざまな問題を抱えている。
札幌市がリュージュコースや美香保体育館など、冬季競技の施設を維持するために支出している補助金は年間三億五千万円。担当者は「問題のある施設が多いことは認識しているが、改修や維持費を増額する財政的な余裕はない」と説明する。
こうした施設は五輪当時、半ば国策として整備された。だが、文部科学省は「スポーツ施設は自治体の所有。国が施設を整備、改修することはできない」としており、各施設を覆う暗雲は濃くなるばかりだ。
真駒内の屋外スケート場は二○○七年四月、道が命名権(ネーミングライツ)を売却したことで、道立真駒内公園屋外競技場から真駒内セキスイハイムスタジアムと名称を変えた。
○六年四月からは北海道体育文化協会が指定管理者として、屋内リンク(真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)とともに施設を運営している。関係者によれば、リンクの維持・管理などに伴う電気代は月契約で、二月も開けると、八百万円ほど経費がかさむため、供用を一月末までとする。
二月以降は一般滑走などができなくなるが、札幌スケート連盟の畑中弘理事長によると、競技団体も「資金協力したくても、力がない」。今の苦境が続けば、一○年二月に開催予定のスピードスケート北海道選手権を開けない恐れもある。
道は○五年度まで、同協会に、屋内外のリンクの管理、運営委託料として二億七千万円を支出してきたが、指定管理者制度に移行した昨シーズンからは、負担金をほぼ半額に減らした。同協会が屋内外のリンクで、収入源を探すにも限界があるという。
札幌市が管理してきた藤野のリュージュコースも施設の老朽化が著しく、安全上の理由から七百メートルしかコースを使用できない。コースを人が横断するための鉄橋もさびがひどく、競技団体は改修を望むが、市が支出したのは、さび止めのペンキ代だけ。札幌リュージュ連盟の伊藤徹理事長は「北海道のリュージュの灯が消えかねない」と、危機感を募らせる。
また、五輪でフィギュア会場となった美香保体育館も「通年使用が困難」など、さまざまな問題を抱えている。
札幌市がリュージュコースや美香保体育館など、冬季競技の施設を維持するために支出している補助金は年間三億五千万円。担当者は「問題のある施設が多いことは認識しているが、改修や維持費を増額する財政的な余裕はない」と説明する。
こうした施設は五輪当時、半ば国策として整備された。だが、文部科学省は「スポーツ施設は自治体の所有。国が施設を整備、改修することはできない」としており、各施設を覆う暗雲は濃くなるばかりだ。
2008年1月1日火曜日
偽りに満ちた一年 小さな光に希望を見たい
テレビカメラに向かい「まことに申し訳ありません」と頭を下げる。
そんな謝罪記者会見を何度見たことだろう。官公庁、大企業、名のある老舗、テレビ局、警察もあった。
大方の人は、見るたびに疑い深くなりはしなかったか。
食品の賞味期限や産地の偽装と聞けば「他でもやっているのだろう」と勘繰る。まだ何か隠しているのではないかと疑う。不信の連鎖である。
後日認めたとはいえ、責任を従業員に押し付けた態度は許し難い。十年も二十年も以前から続けていたケースもあった。特に国民を怒らせたのは、うその上塗りではなかったか。
今年の日本は「偽」一文字で示された。わが北海道も無縁ではない。
バレなければいい、もうけが先-。偽りまみれの社会は情けない。
*どうする年金記録の統合
日本国憲法施行六十年の年に、こともあろうに改憲手続きを定めた国民投票法が成立するとは…。
当時の安倍晋三首相は圧倒的多数の与党に頼り強行採決を連発した。
だが「戦後レジームからの脱却」を訴えて得た議席ではない。強引な国会運営はそもそも間違いなのだ。
経験と力量に乏しい指導者の限界は政権投げ出しで明らかになった。「美しい」の乱発でけむに巻くのは政策の偽装といえるのではないか。
年金記録問題で根拠なく年度内決着を約束したのも虚偽だった。被害者に限らず、多くの国民は「国家の詐欺」に遭った思いだろう。
ただ、ずさんな社会保険庁を責めるだけでは何も解決しない。
福田康夫首相に問う。五千万件の年金記録をいつまでに統合できるのか、経費はどれほどかかるのか。
社会保険庁廃止・日本年金機構発足が二年後に迫る。その移行準備と同時並行で統合はどこまで進むか。
よもや「できない」とは言うまい。だが「できる」を信じる人はいないだろう。「いつまでに」「どのように」抜きでは答えにならないのだ。
虚飾の政治は、社会の混乱にも責任を感じるべきではないか。
政治とカネでは現職閣僚から自殺者まで出し、やっと政治資金規正法の再改正に進んだ。防衛省ではあきれた前次官の汚職が表面化した。
日雇い派遣の大手が、禁じ手の二重派遣で営業停止となった。別の大手も同じ処分を受けている。
この労働形態には、根本的な問題が潜んでいるように思う。
働けど働けど…。ワーキングプア層を増大させ格差を広げる。社会をゆがめる構造を放置していいか。
*ウソのはびこる社会では
電力会社の臨界事故隠しやデータ改ざんが次々と明るみに出た。周辺住民には何も知らせていなかった。
公益企業なのに秘密主義はどうしたことか。原発の「安全神話」まで偽装かもしれないと疑わせる。北海道電力も、伊達火力発電所の燃料パイプライン不正改造で住民を欺いた。
バラエティー番組なら演出も誇張も許されていい-。そんなテレビ局の独善的姿勢も表面化した。
捏造(ねつぞう)番組で視聴者はどんな目に遭っただろう。腹痛や下痢、納豆が店頭から消えたなどの実害が出た。偽った罪は笑って済まされない。
東京の警官がストーカー行為の果てに、公務の拳銃で女性を射殺した事件は衝撃だった。警察は銃器と職員の管理を徹底点検すべきだろう。
銃では、佐賀県の病院で入院中の男性が人違いで射殺された事件、長崎県佐世保市のスポーツクラブ乱射事件もあった。気付くと日本は「簡単に銃を入手できる国」になっていた。
家族が身内を殺す事件が目立った年でもあった。一度に複数を殺す凶悪事件も社会不安を強めている。
暗い世相だからこそ、山中伸弥京都大教授らの研究グループによる万能細胞の開発は一段と明るく輝いた。ノーベル賞級という声もある。
*目そらさず住民とともに
北大を拠点とする「糖鎖」研究も、短時間高精度での肝臓がん判定で成果を上げた。道内でも幅広い研究が根を広げる。その可能性を信じよう。
夕張市の財政再建計画がスタートした。国の実験台なのか、想像以上につらく険しい道が延々と続く。
それでも救いはある。自分たちでできることは自分たちの手で、という市民有志の自助努力である。
自治体財政は夕張以外でも悪化している。地方交付税の削減、公立病院の赤字拡大、第三セクターの不振など重層的な要素が絡む。目をそらさず住民とともに考えていくしかない。
来年の「北海道洞爺湖サミット」開催の決定は、取り残された感のある北海道に明るい材料となった。
サッカーのコンサドーレ札幌はJ2優勝で悲願のJ1復帰を果たした。プロバスケットボールにはレラカムイがさっそうと登場した。戦力低下を克服した北海道日本ハムファイターズの連続リーグ優勝もうれしい。
これらプロスポーツの活躍は、駒大苫小牧高校の甲子園優勝に励まされたといえまいか。同校出の田中将大投手は見事に新人王を獲得した。
やればできる-。その気持ちを来年はさらに強く持ち続けたい。
そんな謝罪記者会見を何度見たことだろう。官公庁、大企業、名のある老舗、テレビ局、警察もあった。
大方の人は、見るたびに疑い深くなりはしなかったか。
食品の賞味期限や産地の偽装と聞けば「他でもやっているのだろう」と勘繰る。まだ何か隠しているのではないかと疑う。不信の連鎖である。
後日認めたとはいえ、責任を従業員に押し付けた態度は許し難い。十年も二十年も以前から続けていたケースもあった。特に国民を怒らせたのは、うその上塗りではなかったか。
今年の日本は「偽」一文字で示された。わが北海道も無縁ではない。
バレなければいい、もうけが先-。偽りまみれの社会は情けない。
*どうする年金記録の統合
日本国憲法施行六十年の年に、こともあろうに改憲手続きを定めた国民投票法が成立するとは…。
当時の安倍晋三首相は圧倒的多数の与党に頼り強行採決を連発した。
だが「戦後レジームからの脱却」を訴えて得た議席ではない。強引な国会運営はそもそも間違いなのだ。
経験と力量に乏しい指導者の限界は政権投げ出しで明らかになった。「美しい」の乱発でけむに巻くのは政策の偽装といえるのではないか。
年金記録問題で根拠なく年度内決着を約束したのも虚偽だった。被害者に限らず、多くの国民は「国家の詐欺」に遭った思いだろう。
ただ、ずさんな社会保険庁を責めるだけでは何も解決しない。
福田康夫首相に問う。五千万件の年金記録をいつまでに統合できるのか、経費はどれほどかかるのか。
社会保険庁廃止・日本年金機構発足が二年後に迫る。その移行準備と同時並行で統合はどこまで進むか。
よもや「できない」とは言うまい。だが「できる」を信じる人はいないだろう。「いつまでに」「どのように」抜きでは答えにならないのだ。
虚飾の政治は、社会の混乱にも責任を感じるべきではないか。
政治とカネでは現職閣僚から自殺者まで出し、やっと政治資金規正法の再改正に進んだ。防衛省ではあきれた前次官の汚職が表面化した。
日雇い派遣の大手が、禁じ手の二重派遣で営業停止となった。別の大手も同じ処分を受けている。
この労働形態には、根本的な問題が潜んでいるように思う。
働けど働けど…。ワーキングプア層を増大させ格差を広げる。社会をゆがめる構造を放置していいか。
*ウソのはびこる社会では
電力会社の臨界事故隠しやデータ改ざんが次々と明るみに出た。周辺住民には何も知らせていなかった。
公益企業なのに秘密主義はどうしたことか。原発の「安全神話」まで偽装かもしれないと疑わせる。北海道電力も、伊達火力発電所の燃料パイプライン不正改造で住民を欺いた。
バラエティー番組なら演出も誇張も許されていい-。そんなテレビ局の独善的姿勢も表面化した。
捏造(ねつぞう)番組で視聴者はどんな目に遭っただろう。腹痛や下痢、納豆が店頭から消えたなどの実害が出た。偽った罪は笑って済まされない。
東京の警官がストーカー行為の果てに、公務の拳銃で女性を射殺した事件は衝撃だった。警察は銃器と職員の管理を徹底点検すべきだろう。
銃では、佐賀県の病院で入院中の男性が人違いで射殺された事件、長崎県佐世保市のスポーツクラブ乱射事件もあった。気付くと日本は「簡単に銃を入手できる国」になっていた。
家族が身内を殺す事件が目立った年でもあった。一度に複数を殺す凶悪事件も社会不安を強めている。
暗い世相だからこそ、山中伸弥京都大教授らの研究グループによる万能細胞の開発は一段と明るく輝いた。ノーベル賞級という声もある。
*目そらさず住民とともに
北大を拠点とする「糖鎖」研究も、短時間高精度での肝臓がん判定で成果を上げた。道内でも幅広い研究が根を広げる。その可能性を信じよう。
夕張市の財政再建計画がスタートした。国の実験台なのか、想像以上につらく険しい道が延々と続く。
それでも救いはある。自分たちでできることは自分たちの手で、という市民有志の自助努力である。
自治体財政は夕張以外でも悪化している。地方交付税の削減、公立病院の赤字拡大、第三セクターの不振など重層的な要素が絡む。目をそらさず住民とともに考えていくしかない。
来年の「北海道洞爺湖サミット」開催の決定は、取り残された感のある北海道に明るい材料となった。
サッカーのコンサドーレ札幌はJ2優勝で悲願のJ1復帰を果たした。プロバスケットボールにはレラカムイがさっそうと登場した。戦力低下を克服した北海道日本ハムファイターズの連続リーグ優勝もうれしい。
これらプロスポーツの活躍は、駒大苫小牧高校の甲子園優勝に励まされたといえまいか。同校出の田中将大投手は見事に新人王を獲得した。
やればできる-。その気持ちを来年はさらに強く持ち続けたい。
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