2008年2月16日土曜日

へき地支援へ民間病院連携 社会医療法人化にらみ協議会設立へ

へき地や救急医療を支援する社会医療法人の認可を目指す道内の民間病院が、協議会の設立準備を進めている。法人認可を受けた後に病院の横の連携を深め、地域医療への支援を円滑に進めるのが狙いだ。この制度は四月から認可がスタートする見込みで、経営が厳しい自治体病院にとっては力強い“援軍”となることが期待される。
 社会医療法人は、二○○六年度の医療制度改革で導入された新たな組織形態で、都道府県の認可で設置される。救急、へき地、周産期・小児医療など不採算とされる事業を行うことを条件に、法人税軽減などが受けられる。具体的には、過疎地の病院への医師派遣や、指定管理者として自治体病院の民間委託の受け皿などが想定されている。
 公益性の高い医療を行う「特定医療法人」「特別医療法人」は税軽減や物品販売などの収益事業が認められているが、社会医療法人はさらに資金調達のための公募債発行が可能。昨年末の自民党の税制改正大綱では、法人税は医療保健事業について非課税とすることも決まった。
 全国の特定・特別医療法人の代表者でつくる「社会医療法人協議会」代表幹事を務める特別医療法人・即仁会(北広島市)の竹内実理事長は「法人税が非課税になれば、ある程度規模のある法人なら数千万円単位で可処分所得が増える。公募債も資金繰りの面でメリットが大きい」と指摘。同協議会の北海道支部として、組織の立ち上げを目指すという。
 各病院がバラバラにへき地医療にかかわるのではなく、協議会の場で各病院が連携することで、行政側と調整しながら、計画的に医師派遣などの地域支援ができる体制づくりを目指す。すでに複数の病院関係者から賛同を得ているといい、竹内さんは広く参加を呼びかけている。
 厚生労働省によると、○七年三月末現在、道内の医療法人数は約二千三百。そのうち二十八ある特定医療法人(特別医療法人を兼ねる施設を含む)の中から社会医療法人への移行が多いとみられる。ただ、へき地医療支援などの具体的な要件は、厚生労働省が月内に示す予定。関係者からは「優遇措置が大きくなった分、要件は相当厳しくなるだろう。移行できる病院がどれだけあるか」(札幌の民間病院経営者)との声も出ている。

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