2008年2月26日火曜日

2次試験延期の北大 受験生が下見

二十五日始まった二○○八年度国公立大二次試験前期日程。二十四日まで吹き荒れた暴風雪は収まり、道内はおおむね穏やかな朝を迎え、受験生はそれぞれの夢に向かって試験に挑んだ。一方、入試が二十六日に延期となった北大には、札幌到着が遅れた受験生が下見に訪れた。
 道教大札幌校を受験する高橋俊徳さん(20)=遠軽高卒=は「力を出し切ってぶつかるだけ。中学時代の自分の恩師のように、子供に信頼される教師になりたい」。
 函館市の公立はこだて未来大受験のため前日函館入りした工藤美里さん(18)=青森・弘前南高三年=は「将来はデザイン関係の仕事に就きたい。悔いのないよう頑張りたい」と話していた。
 旭川医大志望の柴宮浩希さん(19)=長野・諏訪清陵高卒=は「二日前に旭川入りしたので余裕を持ち試験に臨める。一浪なので今年で決めたい」。
 帯広畜産大では石井良さん(18)=浜頓別高三年=が「二十四日に自宅(宗谷管内中頓別町)から親に五時間かけて送ってもらいました。勉強の成果を出せるよう頑張ります」と意気込んだ。
 道教大釧路校を受験する佐藤彩華さん(18)=旭川北高三年=は「センター試験の出来が、いまひとつだったので、必死に論文を書く勉強をしてきました。新聞や本を読んで身につけた力を出し切りたい」と話した。
 一方、北大会場を下見した千葉市の近藤裕貴子さん(18)=日大習志野高三年=は二十四日朝から東北新幹線、在来線を乗り継ぎ二十五日未明に札幌入り。「きょう受験だったらつらかった。延期は助かる。しっかり睡眠を取りたい」と語った。

2008年2月22日金曜日

会社役員1億3千5百万円脱税容疑 札幌

二○○四年までの三年分の所得約四億円を隠し、約一億三千五百万円を脱税したとして、札幌地検は二十日、所得税法違反の疑いで、札幌市中央区の会社役員依田崇広容疑者(58)を逮捕した。
 調べでは、依田容疑者は○二-○四年にかけ、自らが秘書を務めていた医療法人理事長らに、ミネラルウオーターやゲルマニウムなどの鉱石採掘権を販売するなどして得た所得約四億円を確定申告せず、所得税約一億三千五百万円を免れた疑い。
 札幌地検によると、依田容疑者は売買帳簿をつけず、妻名義で関係会社に貸し付けるなどし、所得を隠していたという。

2008年2月16日土曜日

へき地支援へ民間病院連携 社会医療法人化にらみ協議会設立へ

へき地や救急医療を支援する社会医療法人の認可を目指す道内の民間病院が、協議会の設立準備を進めている。法人認可を受けた後に病院の横の連携を深め、地域医療への支援を円滑に進めるのが狙いだ。この制度は四月から認可がスタートする見込みで、経営が厳しい自治体病院にとっては力強い“援軍”となることが期待される。
 社会医療法人は、二○○六年度の医療制度改革で導入された新たな組織形態で、都道府県の認可で設置される。救急、へき地、周産期・小児医療など不採算とされる事業を行うことを条件に、法人税軽減などが受けられる。具体的には、過疎地の病院への医師派遣や、指定管理者として自治体病院の民間委託の受け皿などが想定されている。
 公益性の高い医療を行う「特定医療法人」「特別医療法人」は税軽減や物品販売などの収益事業が認められているが、社会医療法人はさらに資金調達のための公募債発行が可能。昨年末の自民党の税制改正大綱では、法人税は医療保健事業について非課税とすることも決まった。
 全国の特定・特別医療法人の代表者でつくる「社会医療法人協議会」代表幹事を務める特別医療法人・即仁会(北広島市)の竹内実理事長は「法人税が非課税になれば、ある程度規模のある法人なら数千万円単位で可処分所得が増える。公募債も資金繰りの面でメリットが大きい」と指摘。同協議会の北海道支部として、組織の立ち上げを目指すという。
 各病院がバラバラにへき地医療にかかわるのではなく、協議会の場で各病院が連携することで、行政側と調整しながら、計画的に医師派遣などの地域支援ができる体制づくりを目指す。すでに複数の病院関係者から賛同を得ているといい、竹内さんは広く参加を呼びかけている。
 厚生労働省によると、○七年三月末現在、道内の医療法人数は約二千三百。そのうち二十八ある特定医療法人(特別医療法人を兼ねる施設を含む)の中から社会医療法人への移行が多いとみられる。ただ、へき地医療支援などの具体的な要件は、厚生労働省が月内に示す予定。関係者からは「優遇措置が大きくなった分、要件は相当厳しくなるだろう。移行できる病院がどれだけあるか」(札幌の民間病院経営者)との声も出ている。

2008年2月11日月曜日

「古裂」でお雛様優しく 札幌・東区の高橋さん作品展

一足早く、ひな祭り気分を味わって-。札幌市東区の主婦高橋緑さん(54)が作品展「古裂(こぎれ)の雛(ひな)展」を、北区北八西一の「石の蔵ぎゃらりぃ はやし」で開いている。
 「古裂」(古い着物)で作ったウサギやネコ、ネズミのひな人形など約百点を展示。大正初期に建てられた蔵を改造した懐かしい雰囲気のギャラリーで、ピンクや水色といった「春色」の着物を着た人形たちが、優しい顔で来場者を迎える。
 高橋さんは三十歳の時に「子どもを楽しませたい」と布で人形作りを始め、十五年前から年二回、個展を開催。
 ウグイスやツル、手まりなど、縁起物の小さな人形が連なった「つり飾り」も百本ほどつるされ、「にぎやかでお祭りみたい」と来場者を楽しませている。一部作品は販売する。十二日までの午前十一時-午後七時(最終日午後六時)。

2008年2月6日水曜日

道北2泊3日路線バスの旅 沿岸バス企画 乗り継いで名所巡り

【羽幌】沿岸バス(留萌管内羽幌町)は二十二日から二泊三日の日程で、地元住民が生活の足として利用している路線バスで冬の道北を巡るバスツアーを初めて企画した。日本バス協会(東京)は「生活路線でのツアーは全国初だろう」としており、同社は「地域密着の旅を楽しみ、赤字に悩む地方バスの実態も理解ほしい」と、参加者を募集している。
 宗谷管内豊富町と留萌市を結ぶバス路線「豊富留萌線」を中心に、札幌-留萌間の都市間バス、豊富町内を走るサロベツ線など、行程の大半を同社の路線バスで移動。豊富町の豊富温泉で二泊する。
 バス営業所や車庫、豊富町牛乳公社工場の見学のほか、サロベツ原野を散策し、厳寒の道北を体験する。集団離農で駅前から民家が消えた雄信内(おのっぷない)駅(留萌管内幌延町)、映画「南極物語」のロケ地となった抜海(ばっかい)駅(稚内市)、アザラシがいる抜海港などにも立ち寄る。
 沿岸バスは「路線バスは通学や通院など住民の貴重な足。ツアーには社員が同行し、観光だけでなく、沿線の交通事情も分かりやすくガイドしたい」と話す。日本バス協会も「地域特性を生かしたバスの活性化策として、全国に広まる可能性もある」と成果に期待している。
 代金は札幌発着が税込み三万四千円、留萌発着は三万円。詳しくは同社のホームページhttp://www.engan-bus.co.jp/か、営業部( 電)0164・62・1550へ。

2008年2月2日土曜日

雪まつり客に網走観光PR 札幌で流氷展示、魚介販売 青団連

【網走】より多くの観光客に網走に来てもらおうと、市内の若手経済人やまちづくりグループなどでつくる網走青年団体連合会(大谷義則代表)は二月五-十一日の七日間、さっぽろ雪まつり会場に網走の流氷を運んで展示するとともに、水産加工品を販売し、網走を売り込む。
 世界自然遺産・知床の集客効果が薄れ、観光客が減少している事態を打開しようと企画した。札幌を訪れる国内外の観光客に網走の食と流氷を強く印象づけるのが狙い。
 会場は、北海道放送(HBC)エジプト広場(大通り西七)の一角。販売するのは、カラフトマスのフライやホッケのフライ、アブラガニの天ぷら、アブラガニの汁、カニとホタテのかまぼこ。市観光課も、流氷あめ三百八十袋と観光パンフレット、ポスターを提供して協力する。
 連合会のメンバーら六人はこのほど市内の水産加工場で、流氷を削り、形を整える作業に励んだ。札幌では流氷をライトアップし、幻想的に演出するという。大谷代表は「網走に多くの人が訪れるきっかけになればうれしい」と話している。